いわゆる町おこしには、その地域のPRが欠かせないと言っていいでしょう。ここでは実際にそのようなPRが地方自治体によって行われたという事例を紹介していきます。
地域性を利用したPR作戦
その地域ならではの特性を全面的にアピールしたPRは、全国の自治体で行われています。
イベントや施設を利用した戦略
地方自治体によって開催されるイベントに観光客を呼び込む為に、そのような人に対して特別な配慮を催すPRです。例えば、観光客だと分かる人(免許証などでその地域の住民ではないと分かることによって)には、本来有料の入場料などを割引したり、無料にするなどということが行われています。
期間が決まっているイベントだけでなく、常設の施設で行っている場合もあり、それによって少しでも観光客を増やそうという戦略です。
名産品を使った戦略
その地域の名産品を使ったPRは、以前より盛んに行われています。特に食品は有名になると、近年のB級グルメブームとも相成って、それを目的に訪れてくれる人も少なくありません。
その為にはプロモーションが大切になりますが、近年ではネットで行っているケースが多く見られます。そして、その販売でもネットを利用できることから、以前より費用を掛けずに行えるようになり、地域のPRではよく見られる方法です。
都市部で開催される地域の名産品展などへの出店も、もちろんこの名産品を使う戦略に当たります。その場合には、現場での販売だけでなく、気に入ってもらえた人にネット販売でリピートしてもらうことも期待できます。
有名人や作品にちなんだ戦略
地域によっては、新しくお札の人物画になるような有名人や、歴史ドラマの主人公の出身地ということがあります。そのような場合に、そちらにちなんだアピールを行うことで、一過性ではない観光客が期待できます。
昨今では舞台自体がその地域だというアニメ作品が多く生まれており、そのアニメのファンがそこを訪れることを「聖地巡礼」と呼んでいます。実際にも地方自治体がそのようなアニメとタイアップし、大きく地域のPRに成功した事例がいくつもあります。
これは、そういった作品があるかどうかによりますが、もし該当するものがあれば、今のネット社会では全国からの来客が期待できる為、大きな期待ができるというものです。
映像を大いに活用したPR作戦
YouTubeや各種の動画オンデマンドサービスが盛んに利用されている現在では、地方のPRにも映像が盛んに利用されています。
観光に絡む動画によるアピール
観光のアピールになる動画の公開は以前から行われていますが、ステイホームという言葉が聞かれるようになった頃からは、単に名所や名産品を紹介するだけといった内容に留まらず、いかにもその場所に行った気分になれるような動画が増えてきています。
視聴者と双方向で行われるリアルタイムのオンラインツアーといったものも珍しくなくなりましたが、そこまではいかなくとも、実際にその地域を歩いている様子だったり、名所の中に入っていく様子などを収めた内容にすることで、より親近感をもってもらうことができるでしょう。
定点カメラを使ったアピール
アピールしたい観光名所などに向けて定点カメラを設置し、24時間いつでもその映像がネットを通して見ることができるといった内容です。このようなことは以前より、飛行機が好きな人の為に各地の空港で行われていますが、それとはまた別に、地域のPRに利用するという訳です。
リアルタイムの映像が見られることで、行ってみたいという気持ちに訴えかけることができる点が一番のポイントになり、一度設置してしまえば、その後はそれほど費用も掛からないことから、これを始める地域や自治体も増えてきました。
少し凝った作りにするなら、見る角度を変えられるようにしてみたり、紅葉などの季節による移り変わりのアピールにいくつかの録画動画も用意しておくと、更に利用されやすくなるでしょう。
ご当地モノによるアピール
そのご当地特有のゆるキャラや、ご当地アイドルといったものを誕生させ、それらによるアピールによって全国的なPRに成功した事例は少なくありません。前者では観光名所や名産品にちなんだキャラクターにするのが定番となっており、元ネタとなるもののに少しでも興味をもってもらおうといった作戦です。
後者は簡単にはいかないかも知れませんが、こちらでもその地域ならではの特色のあるグループにすることで、大きく地域性のPRになります。地下アイドルと呼ばれる存在は全国に多数あれど、地方自治体が全面的にバックアップし、地域に密着した活動を行うことで、大いにPRに繋がっている例も増えています。
地方自治体だけで難しい場合でも、その地域の会社と協力し、プロジェクトとして誕生したグループもあります。事が事だけに、その為の準備や活動内容なども綿密に考えた上で行うことになりますが、当たるととても大きなPRとなるのは間違いないでしょう。