少子高齢化が進み、人口の一極集中が進むとともに、人口の減少に歯止めをかけるとともにそれぞれの地域が活性化するために必要なのが地域活性の取り組みになります。それぞれの地方公共団体が知恵を絞って地域活性化を進めていますがその成功事例、取り組みについて具体的にご紹介していきたいと思います。
今の日本の経済状況を見てもどこの地域も今よりも地域活性して経済的な潤いを得たいと考えている地方自治体が多いです。ですが、闇雲に地域活性をしようと思っても上手くはいかないです。
では、どうやって地域活性を図れば良いかという話ですが、一番良いのは過去にどのような成功事例があったかを見て分析することです。
そうすれば絶対に地域活性が可能になるとは言えないまでも高い確率で地域活性化も上手くいきます。
過去の成功事例を真似るだけではダメ
真似るのではなく特性を考える
過去に地域活性に成功した地域を見て、それを真似れば上手くいくような気がする人もいるかと思います。
ですが、それは大きな間違いで地域活性で大事なことは過去にどのようなことをして地域活性に成功したかという事例を分析することであって、成功事例をそのまま真似ることではないです。
そのまま真似ても多くの人が感じるのは、それはどこかで同じことをしていたと感じて逆にマイナスのイメージを持たれる結果になります。
特に今の時代のようなネット社会ではそれは顕著で見た目は本家と違っていても
どこか似ている部分があれば、それを見つけて一斉に叩くという風潮があります。
なので、地域活性化をしたいと思うなら成功した事例をそのまま同じようなことをするのではなく、過去にどういう取り組みが上手くいったかを冷静に分析することが大事です。
・ひとりよがりにならない
地域活性化を成功させるために大事な視点があります。
それはひとりよがりにならないことです。
ついこのような公共のことになるとトップダウンでものごとが決まりがちです。
そのためせっかく他の地域で地域活性化が上手くいった事例を参考にしていながら、それを上手く活かせないということがあります。
その地域の住人や観光に訪れる人が実際に何を望んでいるかを考えないで
これをやりさえすれば上手くいくだろうと単純に過去にあった成功事例とほとんど変わらないことをしてしまうことがあります。
そのようなことになると、いくら過去地域活性化が上手くいった地域を見て参考にしても上手くいかないです。
地域特性を生かしたまちづくり
そもそも地域活性化のためには地方公共団体の力だけではなく民間のノウハウが非常に重要になってきます。その中でも具体的に成功事例としてあげたいのが地域特性を生かしたまちづくりになります。
都市をコンパクト化し公共交通の再構築を行って居住空間や都市機能を集積することによって住民が利便性を高め、人口が集まり、中長期的には継続的に住みやすい街を目指すこと、これが地域特性に合わせたまちづくりのポイントです。
アイディア重視でどこでも良いと思えるものをやらない
地域活性化で大事なのはその地域に実際に行かないと体験できないものを作り出すことです。
なぜなら、わざわざ人が遠い場所から移動してくれるのはそこでしか体験できないものがあるからです。昔はそういうのはその地域にある自然を利用することが多かったです。
今でもその地域でしか体験できない自然をアピールして地域活性化を図るという方法はあります。実際にそういうことを多くの地域でやっています。
ですが、必ずしも自然を目玉にして地域活性化を図る必要はないです。重要なのはこれまでになかった体験ができる環境を作ることです。
それを上手く作ることができれば、特にそれまで有名な自然がない場所であってもそれを目当てにして日本中から観光客を呼び込むことができます。
それは意外と難しいことではなく、これまでの地域活性化の成功事例を見ても明らかで、例えばネコの駅長さんみたいな感じでも上手くハマればそれで地域活性化は上手くいきます。
ポイントになるのは何かド派手なものである必要はない点です。
一見して大したものでなくても、その土地にマッチしたものを作り出すことが大事です。
それができればそれを見たいという人がやってきて地域活性化に繋がっていきます。
いくら地域活性化をやろうと思っても、この地域にマッチしてないものだったりすると特別な体験にならず思ったように人が集まらないです。
大事なのは新しい体験とその場所だからこそ良いと思えるものを作ることです。
子どもが喜ぶものを作る
地域活性化で重要なのは小さいお子さんが喜ぶものを作ることです。
なぜなら、小さいお子さんが喜ぶものを作ればお子さんだけでなく、家族みんながその地域に観光に来てくれるからです。
また、小さいお子さんが喜ぶ名物を作り出せればお子さんを中心に考えてそこに行ってみようとなります。
なので、地域活性化の事例を見て新たにどういう風にして地域活性化をしていけば良いかを考えるなら、地域活性化にどのように繋がっていったかを見るのが重要であって同じことを自分の地域でやれば良いということではないです。
自分の地域に合った名物を上手く考えてやることが重要で、さらに些細な体験でも特別感を味わえることが重要です。
絶対に誰が見てもそれが立派な観光地に見える必要はないです。
今の時代は派手さよりもむしろ地味な方が若い人にウケたりするので、地味でも小さいお子さんが喜んでくれそうなものを名物として作っていくのが地域活性化の成功の近道です。
そこを考えないでこれだけ立派なものを作ったから上手くいくという風に考えないようにしないといけないです。成功事例を参考にする時は分析までで、似たようなことをやるという考えは絶対にダメです。
基盤整備でまず重要となるのは交通機関です。地域では高齢化が進み、若いファミリー層が集まってきたとしても将来的に利便性の高い交通網がポイントになります。それだけにまちづくりにおける交通網の基盤整備ほど重要なものはありません。居住空間と交通機関を充実させることによって人口も集まるのです。また公共交通機関を充実させることによって、必然的に企業立地を呼び込むための基盤整備にもつながってきます。空港からのアクセス、鉄道、道路の整備等がととのうことによって企業もまた集まってくると言えるでしょう。
具体的な事例を挙げると淡路島はいかがでしょうか。現在では関西の有数のリゾートとして脚光を浴びています。パソナグループが中心となって淡路島の交通網を整備し、車でのアクセスを高め、さらに様々な施設を誘致することによって人口も増えつつあります。実際にはパソナグループの本社機能をある程度移転することにより自らが人口を増やす役割を果たしていることが大きいでしょう。
このように地方公共団体だけではなく民間のノーハウを生かし交通網を整備、さらに人口を集めてくるための様々な政策を行うことが地域活性化につながります。淡路島のような事例が今後も広がっていけば、人口が集まるエリアが複数生まれてくることにより、過疎化により不幸になる方々が減ってくるのではないでしょうか。
観光地としての地域活性化
地域特性を生かし、観光地としての地域活性化を進める取り組みはこれまで以上に重要になってきています。いくつか具体的な事例を挙げていきたいと思います。わかりやすいところでは道の駅です。幹線道路における休憩機能でしかなかったエリアを情報受発信拠点と言う位置づけにすることで、近隣から多くの方々を呼び込み活性化を図っています。
現在全国で既に1000カ所以上の道の駅が減って登録されており、地域と道路利用者の交流を促進する機能が地域活性化につながっています。類似した取り組みとしては高速道路のパーキングエリアも単なる休憩場所だけではなくウェルカムゲートが設置され地域の特産品などがPRされるなど観光客を呼び込む地域活性化のための呼び水となっています。
次に日本ならではですが、官民が連携して地域の景観や歴史、文化や観光基盤などをうまく生かした「かわまちづくり」の支援制度です。全国で既に約200カ所が登録しており、観光客を呼び込む取り組みが進んでいます。
さらに道の駅に対抗し既存の港湾施設やマリーナなどを活用した海の駅の設置も推進されています。海の駅はすでに150カ所以上が登録されており陸と海をつなぐ接点として訪問した方々が楽しめるようなクルージングや海産物の販売、漁業体験やイベントの実施などを通じて地域の活性化を生かす取り組みの支援を行っています。国土交通省としては防災拠点としての機能も重要視しており、その認知度向上のために予算を確保する動きになっています。
こうした地域活性化における重要なポイントはなんといっても地域ならではの特徴を生かした取り組みを行うべきと言うことです。だからこそ地方公共団体が自分たちの強みを知り、民間と協力しながらプランニングを行って予算をつけていくこと、これが成功への近道です。
政府としても人口の一極集中を防ぎ、地域活性を急ぐためにはこのような活動に後押しをする姿勢は変わりません。地域創生はあくまでも全国一律の取り組みですが、地域が主体者となって地域活性化を行う事は成功の確率が非常に高くなるのは言うまでもありません。
もちろん地域活性化によってエリアによっては消滅してしまう場所があるかもしれませんが、消滅を防ぐことにより消滅したエリアから人口の流入を促して行政サービスを維持することができれば結果的にはプラスに働くことになります。
日本全体で人口減少が進む中、このような取り組みによって地方活性化を進めて、日本の国力を少しでも弱めないように取り組むこと、これが海外からの観光客流入も生み出すことにつながるはずです。